AIエージェントを使ったバイブコーディングが急速に普及する中、「どうすれば品質を保ちながら速く作れるか」という問いへの一つの答えが GSD(Get Shit Done)です。
GitHub Stars 47,000超という注目度のこのツールを、実際に淡路島観光スポットサイトの開発で使ってみました。正直な感想をお伝えします。
GSDとは何か
GSDは Claude Code 向けのスペック駆動開発システムです。一言で言うと「コンテキスト腐敗問題を解決するツール」です。
Claude Code はセッションが長くなると品質が落ちます。これは「コンテキストウィンドウ」という限界が原因で、長い会話の中で「何を作っているか」を忘れ始めるのです。GSD はこれを根本から解決します。
フェーズごとに新鮮なコンテキストウィンドウでサブエージェントを起動し、PROJECT.md・REQUIREMENTS.md・ROADMAP.md・STATE.md という4つのファイルでプロジェクトの記憶を永続化します。
開発フローはシンプルです。
・ 新規プロジェクト初期化(/gsd-new-project):ヒアリングで要件・ロードマップを自動生成
・ フェーズ議論(/gsd-discuss-phase N):実装方針を対話で確定
・ 計画(/gsd-plan-phase N):並列リサーチ後にタスク計画を生成
・ 実行(/gsd-execute-phase N):Wave方式で並列実行・タスクごとにgit commit自動生成
・ 検証(/gsd-verify-work N):UAT・バグ自動診断
実際に使って良かったこと(テスト開発)
設計思想が本質的
コンテキスト腐敗への解答として、フェーズごとに新鮮なウィンドウで実行するアプローチは正しいと感じました。実際に5フェーズ43要件のプロジェクトを数日で完成できたのは事実です。
対話式ヒアリングが実用的
「映えスポットカテゴリの扱い」「Dockerの流用可否」「住所から緯度経度に変更」など、実際に設計で迷うポイントを適切に拾ってくれます。日本語での回答もそのまま受け付けてくれます。
git管理が自動化される
タスクごとに自動でgit commitが作られます。「何がいつ実装されたか」の履歴が自然に残るのは実際に便利でした。バグが出たときに特定のコミットまで戻れます。
UI-SPECの自動生成が実用的
フロントエンドフェーズ前に「/gsd-ui-phase N」でデザイン仕様書を先に生成する流れは、実際のプロジェクトでも使えます。カラーシステム・タイポグラフィ・スペーシングが統一されます。
正直なところ、課題もある
許可確認が多い
YOLOモード(自動承認)設定にしているにもかかわらず、最初は大量の確認画面が出ます。「2 Yes, allow … for this project(shared)」を選び続けることで徐々に減りますが、最初は根気が必要です。
エラーで詰まる場面がある
今回の開発でも、LaravelのURLミス・ポート競合・worktreeのマージ失敗など、人間が介在しないと詰まる場面が複数ありました。「全自動」ではなく「半自動」という認識が正確です。
トークン消費が重い
OpusモデルでリサーチM計画M検証を回すと、Claude Max 5x($100/月)でも結構消費します。コスト意識を持ちながら使う必要があります。「Skip research」の活用や、Budgetプロファイルへの切り替えで節約できます。
まだ荒削り
v1.36という開発段階で、仕様変更も頻繁です。「npx get-shit-done-cc@latest」で定期的にアップデートする必要があります。本番の重要プロジェクトへの投入にはもう少し成熟を待ちたいところです。
GSDを使うべき人・使わない方が良い人
向いている人
・ ソロ開発者・個人事業主で、複数のプロジェクトを並行して進めている
・ Claude Max を契約していて、トークンを有効活用したい
・ バイブコーディングの品質に満足できていない
・ 要件定義から実装まで一貫したフローが欲しい
向いていない人
・ 単発の小さなタスクだけこなしたい(/gsd-quick で対応可能だが)
・ 完全自動化を期待している(人間の承認・確認は必須)
・ Claude Code を使いこなせていない段階(まず Claude Code に慣れるべき)
将来への展望
GSDの方向性は正しいと思います。「何を作るか」を人間が決め、「どう作るか」をエージェントが担うという分業は、AIとの協業の正しい姿です。
今後期待することは3つあります。
・ マルチモデル対応の強化:計画にOpus、実行にGPT-5.4という役割分担をGSD内で設定できると理想的です
・ Claude Design との連携:UI-SPEC生成 → Claude Design でビジュアル確認 → 実装というループが完成すると強力です
・ Maestri との統合:無限キャンバス上でGSDのフェーズ進捗を可視化できると、オーケストレーションの管理が格段に楽になります
「作れる技術」の価値が下がる時代に、「何を作るか決めてAIで動かせる人」になるための道具として、GSDは有力な選択肢の一つだと感じています。
まとめ
GSDは「練習プロジェクトで使うには最高」なツールです。本番の重要プロジェクトへの本格投入にはもう少し成熟を待ちたいですが、今のうちから使いこなしておく価値は十分あります。
インストールは1コマンドです:
npx get-shit-done-cc@latest
まずは小さなプロジェクトで試してみてください。バイブコーディングの質が変わります。

